デリバリービジネスの構造的欠陥と出前館の末路

外食産業専門コンサルタントである
永田ラッパ氏が、
出前館の直近の決算で
最終赤字が78億円
(当初予想の40億円規模から倍増)
に膨れ上がった
構造的理由と、
デリバリー業界が抱える
致命的な「消耗戦」の背景について
わかりやすく解説している動画です。

出前館の大赤字(最終赤字78億円)の現状と背景

業績・決算の数値

直近の決算(8月期)において
売上高392億円に対し、
営業赤字79億円、
最終赤字78億円を計上。

当初見込み(約40億円赤字)から大きく膨らんだ。

致命的な原価率の高さ(99.5%)

売上に対する原価率
(主に配達員への報酬フィー等)
が99.5%に達しており、
これに広告宣伝費
(売上の約15〜20%に相当する65億円超)
などの諸経費が乗るため、
ビジネスとして利益が出ない構造になっている。

赤字拡大の最大の元凶「ロケットナウ(Rocket Now)」の参入

新勢力ロケットナウのゲリラ戦

既存大手(Uber Eats、出前館)が
広告費を絞り
利益回収へ向かおうとしていたタイミングで、
後発の「ロケットナウ」が
日本市場へ再参入・ゲリラ戦を開始。

「送料無償・店頭同一価格・クーポンバラマキ」の衝撃

エリアを絞ったマーケティング、
配達料無料、
店頭とデリバリーの同一価格キャンペーン、
大規模なクーポン配布を展開。

これに対抗せざるを得なくなった出前館が
再び販促費や
割引コストを負担せざるを得なくなり、
赤字が再拡大した。

フードデリバリービジネスが抱える構造的課題

日本における「出前・配達料」への抵抗感

日本はコンビニや外食店が身近にあり、
もともと
「出前=配達料無料」
の文化が根強いため、
消費者の
「配達料・手数料支払うことへの抵抗感」
が非常に強い。

「三方良し(四方良し)」が成立しない構図

「消費者」(安く食べたい)
「飲食店」(手数料負担や店頭同一価格に悩む)
「配達員」(報酬引き下げやキャンセルに不満)
「デリバリー事業者」(原価率高騰と広告費で大赤字)

全員が笑顔になる
仕組みを作るのが極めて困難。

今後の展望と打開策の可能性

サービス料や天候手当などの徴収

出前館も雨天追加料金の導入や
サービス料の改定などでの
収支改善を図っているが、
本質的なビジネスモデルの着地点は見えていない。

株主(LINE / ヤフー / LY Group)の判断

莫大な赤字を出しながら
アプリ利用者(マスユーザー)を
囲い続ける価値があるか、
撤退も含めて
来年以降が大きな岐路・焦点となる。

軽減税率(食品消費税1%への改定期待等)

今後導入が見込まれる税制優遇やキャンペーンによる
オーダー数自体の爆発的拡大に望みをかける可能性がある。

まとめ

出前館の赤字拡大は、
黒字化へ向かうはずだった市場に
「ロケットナウ」
が強烈な価格破壊
(送料無償・店頭同一価格)
で参入してきたことによる
消耗戦の再燃と、
原価率99.5%という
破綻しかけているビジネスモデルが原因であり、
今後親会社が
どのような事業継続・撤退の判断を下すのかが
注視されています。

 

TOP
error: Content is protected !!