ジョージア(旧グルジア)は、
近年税制優遇やビジネスのしやすさで注目されていますが、
本格的な「タックスヘイブン」になる可能性は低いと思われます。
1. 現状の税制とビジネス環境
ジョージアは、以下の点で「税制優遇国」とは言えます。
✅ 法人税の優遇(エストニア式)
– 法人税(15%)は配当を出すまで課税されない(エストニアと同様の制度)。
– 再投資する限り法人税ゼロなので、企業の成長に有利。
✅ 個人所得税は20%
– 一定のシンプルな税率で、比較的低め。
✅ 小規模ビジネスの税制優遇
– 年商50万ラリ(約2,500万円)以下の個人事業主は、1%の税率で済む。
✅ 付加価値税(VAT)は18%
– これはヨーロッパ並みだが、輸出企業には優遇あり。
✅ 「自由産業ゾーン(FIZ)」がある
– ここで登録すれば、法人税・VAT・輸入関税などが免除される。
– ただし、タックスヘイブンほどの匿名性や抜け道はない。
2. なぜ「タックスヘイブン」になりにくいのか?
🛑 OECDやEUの監視対象になりたくない
– EUはタックスヘイブン対策を強化中で、ブラックリスト入りを避けるため、ジョージアは慎重。
🛑 金融の匿名性がない
– 本当のタックスヘイブン(ケイマン諸島、パナマなど)では、匿名での口座開設や法人設立ができるが、ジョージアでは金融透明性が高め。
🛑 銀行システムが国際規制に従っている
– FATF(金融活動作業部会)のルールを守っており、脱税やマネーロンダリング対策が厳しくなっている。
3. 今後の見通し
– ジョージアは今後も「税制優遇国」としての魅力は維持するが、
– 完全な「タックスヘイブン」にはならない(国際的な圧力があるため)
– それでも税率の低さ、FIZ、法人税の後払い制度など、ビジネスのしやすさは続くため、
起業家や投資家にとって魅力的な国ではあり続ける可能性が高い。
結論
ジョージアは「税制優遇国」ではあるが、「タックスヘイブン」にはなりにくい。
✅ 法人税ゼロ(再投資なら) ✅ 小規模ビジネスの超低税率(1%) ✅ FIZでの税制優遇などはあるが、
❌ 匿名性や抜け道のある税制ではなく、国際的な監視を受けているため、完全なタックスヘイブンとはならない見込み。
➡ 節税目的でビジネスをするには魅力的だが、完全な「税逃れの楽園」にはならない。