- 2026/02/04
歴史調査チーム
「株式会社COTEN」の
品川皓亮氏の著書
『資本主義と生きていく』
をベースに、
現代人がなぜ常に時間に追われ、
焦燥感を抱えているのか、
その正体と対処法を解説した内容です。
「便利になったはずなのに
なぜ時間がないのか?」
という問いに対し、
歴史的な背景から
6つの「追っ手」を特定しています。
私たちを追い詰める「6つの追っ手」とその正体
現代人を苦しめている価値観は、
最初から当たり前だったわけではなく、
歴史の中で作られた
「資本主義ゲームのルール」です。
①時間
かつては
「巡るもの」(循環)だったが、
キリスト教や修道院の規律により
「二度と戻らない一直線の資源」へと変化。
時間を無駄にすることを
罪悪視するようになった。
②数字
テイラーの科学的管理法により、
人間の動きまで
数値化・効率化されるようになった。
現代では
スマホ等で自ら進んで
自分を数値管理し、
余白を削っている。
③労働
古代では
「奴隷がやる卑しいもの」だったが、
宗教改革(プロテスタントの予定説)を経て
「真面目に働くことは救済の証」
(美徳)へと価値観が逆転した。
④成長
進化論などの影響で
「現状維持は停滞・悪」とされ、
常にスキルアップや
拡大を求められる
バグのような強迫観念。
⑤お金
かつては利子を取ることは
「強欲な悪魔」とされたが、
成功を
「神の祝福」と読み替えることで、
お金が人生の点数表
(スコアカード)になってしまった。
⑥消費
必要なものを買い尽くしたシステムが
存続するために、
「他人より良く見せるため」
「映えるため」という、
内側からではなく
外側から作られた欲望を消費させられている。
資本主義システムとの「距離感」の調整
著者の品川氏は、
資本主義を「焚き火」に例えています。
近づきすぎれば焼死し、
離れすぎれば凍死する。
システムから
完全に抜け出すのは不可能だが、
世間の物差し(年収や成長率)ではなく、
「自分の物差し」
を持つことが重要。
「ここまで稼げば十分」
「週にこれだけ休めれば満足」
という線を自分で引くことで、
終わりのない競争から距離を置く。
「バグ」として生き、人間らしさを取り戻す
ミヒャエル・エンデの
『モモ』に登場する
「灰色の男たち」は、
まさにこれら6つの追っ手そのものです。
奪われた時間を取り戻すための
ヒントが語られています。
生産性の外にある時間を大切にする
資本主義から見れば
「無駄」とされる、
散歩、ぼーっとする、
たわいもない会話などの時間こそが
人間らしさの源。
システムのバグになる
効率や利益の計算通りに動く
「部品」になるのではなく、
あえて計算を狂わせるような
「無駄」を楽しむ存在でいること。
結論
私たちが抱える焦りの正体は、
個人の怠慢ではなく
「資本主義というシステムの設定」
です。
その正体を知ることで、
ただ振り回されるのではなく、
自分にとって心地よい距離を
自分で決めていくことが、
現代を生き抜く智慧であると
締めくくっています。