- 2026/02/15
職場において、
一番仕事ができ、
周囲の面倒を見たり
トラブルをカバーしたりしている
「まともな人」(誠実な人)から
順番に辞めていってしまう現象について、
経済学や組織論、
ゲーム理論の数式や定理を交えて
冷徹に解き明かしています。
まともな人から辞める理由(3つの理論)
1. 公共財 ゲーム理論 (ただ乗り問題)
職場で誰かを助けたり、
面倒な調整役を引き受けたりする行動は、
共同の財布に自腹を切って
お金を入れる「協力行為」です。
貢献度やコストが見合わないまま、
ただ乗りする人(フリーライダー)が
得をする環境では、
誠実な人ほど割を食い、
不満を募らせて
先に行動(退職)を起こします。
2. レモン市場定理(情報の非対称性)
組織の中で
「誠実な協力者」と
「うまく立ち回るただ乗り社員」の
本当の貢献度が
正しく見分けられない状態を指します。
評価が曖昧で
同じ扱い(平均価格)をされると、
割に合わないと気づいた
有能で価値の高い人から順に
市場(会社)を去り、
後には
あまり動かない人ばかりが残る構造になります。
3. 離職に関する研究(脱出オプションの有無)
業績が高く優秀な人ほど、
市場価値が高く
「外に別の選択肢」(脱出用のドアの鍵)
を多く持っています。
待遇や評価に疑問を感じた際、
オプションを持っている協力者ほど
すぐに辞めることができますが、
そうでない人は不満があっても
辞められずに残ります。
組織に対する示唆
かつての終身雇用制度は
「脱出のドアを意図的に重くする」ことで
人材を閉じ込めていたに過ぎません。
現代のように転職が一般化し、
退職代行などで
ドアが軽くなったことで、
このレモン市場の構造が
より早く表面化するようになりました。
この均衡を打破するには、
会社側が
「誰が真にコストを払い貢献しているか」
を正しく見分け、
適切に評価・還元できる
仕組みを作ることの重要性を説いています。