なぜ値上げしても売れる?ミスドの常識破りな戦略が天才すぎた

この動画では、
かつて大量閉店と
巨額の赤字で
崖っぷちに追い込まれていた
ミスタードーナツ(ミスド)が、
看板施策だった
「100円セール」を辞めるという
常識破りの決断によって
V字回復を遂げた戦略を、
経済学・経営学の視点から解説しています。

 📉 かつての「ミスドの危機」と100円セールの罠

ピーク時に
1400店舗以上あったミスドは、
2015年〜2016年頃に
100店舗以上の閉店を余儀なくされ、
累計24億円もの赤字を出していました。

その原因は主に2つあります。

アンカリング効果(価格の固定化)

定期的に開催していた
「100円セール」が
あまりに定着した結果、
顧客の頭の中に
「ミスドのドーナツ=100円」という
基準(参照価格)ができてしまいました。

そのため、
通常価格(130円など)の日に
客が来なくなり、
セールの日にだけ
買いだめされるという
悪循環に陥りました。

コンビニドーナツの襲来(2014年〜)

セブン-イレブンをはじめとする
大手コンビニ各社が
レジ横でのドーナツ販売に一斉参入し、
脅威となりました。

🏪 なぜコンビニに勝てたのか?(5万店 vs 1400店)

当時「ミスドは終わりだ」と囁かれましたが、
結果的にコンビニ側が
次々と撤退しました。

理由は以下の通りです。

1. 市場規模の見誤り

日本のドーナツ市場(約900億円)の
9割をミスドが占めており、
コンビニが参入するには
パイが小さすぎた。

2. 店内製造という高い参入障壁

ミスドは各店舗で
1から手作り(模法困難性が高い)しているのに対し、
コンビニは工場配送のため
食感や味で勝てなかった。

3. 来店動機の違い

コンビニは
「ついで来店(客単価1〜2個)」だが、
ミスドは手土産や
家族のイベントとしての
「目的来店」
(客単価6〜7個・約1000円)であり、
ビジネスモデルの強さが違った。

🚀 復活を遂げた「3つの価値向上改革」(差別化戦略)

2016年、
経営陣は
「安さで集める客ではなく、
価値で来てくれる客を取りに行く」
と決断し、
100円セールを完全廃止。

以下の3つの改革を断行しました。

① 有名ブランドとの共同開発(『misdo meets』)

祇園辻利や
ピエール・マルコリーニ、
ポケモン等とコラボし、
あえて200円台の
高価格帯(プレミアム戦略)で販売。
これが大ヒット。

副次効果

200円の隣に
130円の定番商品が並ぶことで、
今度は通常価格のドーナツが
「お手頃(安い)」と感じられる
新たなアンカリング効果を生みました。

② 食事メニューの強化(『ミスドゴハン』)

パイやピザッタなどを導入し、
「おやつの時間」
だけでなく
朝食やランチ需要を開拓。

1日の客足を分散させる
「需要の平準化」により、
店舗の人件費や
固定費の効率が劇的に向上しました。

③ 店舗体験の刷新とキッチンレス店舗

ネットオーダーの導入や、
厨房を持たない小型店舗
(セントラルキッチンから配送)
を駅中などに展開し、
出店スピードと効率を上げました。

📊 現在の圧倒的な強さ

ダスキンの2025年3月期決算等によると、
ミスド(フードグループ)は
ダスキン全体の営業利益の
約6割を稼ぎ出す
成長エンジンとなっています。

2025年に
全品10円の値上げを行いましたが、
顧客数は減らずに
客単価だけが上昇しました。

これは経済学で言う
「価格弾力性が低い」
(その店でしか買えない
特別な価値があるため、
値上げしても需要が落ちない)
理想的なブランド状態を作れた証拠です。

📝 この動画から学べる教訓

教訓1:

安売りはブランドを蝕む。
一度下げた価格基準を上げるのは
麻薬のように困難。

コスト削減の仕組みがない
中途半端な安売りは地獄を生む。

教訓2:

真似できない強み(店内製造・ブランド力)を持つ。

教訓3:

ピンチの時こそ、
値段を下げるのではなく
「価値を上げる」選択をする。

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