- 2025/02/23
大分県の現役米農家である投稿者が、
令和の米騒動を機に
店頭で見かけるようになった
アメリカ(カリフォルニア)産の
輸入米「カルローズ米」について、
・安全性
・安さの理由
・味
そして日本が抱える食料安全保障の
「本当のヤバさ」について
中立的な視点で解説しています。
1. 安全性のヤバさ:国を信じるなら「安全」
厳しいトリプルチェック
外国産と聞くと
農薬などを心配しがちですが、
日本の食品衛生法に基づき、
現地での船積み前、
日本への輸送時、
日本到着時という
3段階の残留農薬検査
(トリプルチェック)を
突破したものだけが流通しています。
ポストハーベスト問題
長旅でのカビ繁殖を防ぐため、
収穫後に農薬処理を行う
「ポストハーベスト」がなされています。
国産米は原則禁止のため、
これがどうしても気になるという人は
国産米を選ぶべきです。
2. 価格のヤバさ:実質1,200円!? 圧倒的な生産効率
生産コストは日本の1/7
カリフォルニアの広大な大地
(地中海性気候で夏は日本に似た高温、
シエラネバダ山脈の豊富な雪解け水を利用)で、
飛行機を使って
種・肥料・農薬を撒く超大規模農業を行っています。
関税がなければ激安
投稿者が購入したカルローズ米は
5kgで2,998円(税込み)でしたが、
このうち約1,800円は
日本の米農家を守るための「関税」です。
つまり、
関税がなければ
5kgあたり約1,200円という、
国産米では到底立ち打ちできない
圧倒的な安さで作られています。
日本との深い歴史
実はカルローズ米の祖先は、
明治時代に日本(滋賀県)から
ハワイやアメリカに渡った酒米
「渡り船」
という品種。
さらに1920年代以降の発展には
日本人移民が深く関わっており、
日本のDNAを継いだお米です。
3. 味のヤバさ(実食レビュー:そのままだと…)
プロの米農家として、
3つのパターンで実食したリアルな感想です。
パターン① そのまま炊く
普段の「カロリー摂取」としては十分。
ただし日本のお米のような
モチモチ感や甘みは薄く、
少し硬くてツブ立っており、
パサつきを感じます。
チャーハン・カレー
水分の少なさが活きるため相性が良い。
カレーにかけると
レトルトのパックご飯に近く、
お米の味自体が主張しないため
全く違和感なく食べられます。
(吉野家などの外食チェーンでも
ブレンド米としてよく使われています)
パターン② 国産新米と半々でブレンド
カルローズらしさが消えてかなりいけます。
ただし水分量の調整が難しく、
新米側がベチャつくことがあるため、
少し古めのお米(古米)と
混ぜるほうが馴染みやすいです。
パターン③ 冷凍から解凍
水分がさらに抜けて
パサパサ感が増しますが、
変な臭みがあるわけではないので
十分食べられます。
4. 「本当のヤバさ」:これ以上外国に胃袋を握られるリスク
味や農薬よりも、
米農家として最も危機感を持つべきは
「食料自給率」(安全保障)
だと語ります。
すでに小麦、豚肉、トウモロコシなどを
輸入に依存し、
日本人の胃袋は
外国に半分握られているような状態です。
本来、
日本は
「米だけは自給する」スタンスでしたが、
1994年の貿易自由化交渉
(ガット・ウルグアイ・ラウンド)
の妥協案として、
一定量を必ず輸入しなければならない
「ミニマム・アクセス」
(最低輸入機会)を受け入れ、
今も輸入し続けています。
今回の米不足で
輸入米が安い代替品として定着し、
日本の米作り(農業)が
さらに衰退してしまうと、
万が一の国際危機時に
国全体が干上がってしまうリスクがあります。
総括(農家からの提言)
安全性が気になる人や、
日本の農業を守りたい・経済に余裕がある人は、
ぜひ「国産米」を買い支えてほしい。
一方で、
育ち盛りの子どもがいて
毎月の米の消費量が激しく、
現在の家計が苦しい家庭にとっては、
「カルローズ米」を
国産米とブレンドして
食費を抑える選択は、
生活防衛として大いにアリ。
(元気がなければ何もできないため)
物事を白黒つけず、
それぞれの家庭の状況に合わせて
賢く選択しつつも、
日本の食料自給への意識は
忘れないようにしよう、
と結ばれています。