欧米人は海藻消化酵素を持っていない
北欧を含む多くの欧米人は、一般的に日本人のような「海藻消化酵素」を持っていないことがわかっています。この消化酵素の違いは、海藻を食べる文化の有無が影響していると考えられます。
海藻消化酵素に関する研究
1. 日本人と海藻消化酵素
日本人をはじめ、長い間海藻を食文化に取り入れてきた人々の腸内には、特定の海藻消化酵素(ポルフィラナーゼなど)を持つ腸内細菌が多く見られます。これは、海藻に含まれる多糖類を分解し、栄養として吸収できるようにするための酵素です。
こうした酵素を持つ腸内細菌は、日本人の腸内で特に多く見られますが、これは海藻を長期間食べてきた歴史が関係していると考えられています。
2. 欧米人と海藻消化の酵素欠如
海藻をあまり食べない北欧や欧米の人々の腸内には、一般的にこのような海藻消化酵素を持つ腸内細菌は少ないか、存在しないことが多いです。そのため、海藻に含まれる特定の多糖類を消化・分解しにくい傾向があります。
しかし、消化酵素が無いからといって、北欧の人たちが海藻を食べられないわけではなく、完全に消化しきれない成分が残る可能性があるという程度です。
3. 腸内細菌の変化と適応
腸内細菌は、食生活に応じて変化することが知られており、欧米人でも海藻を継続的に摂取すれば、海藻消化を助ける腸内細菌が増える可能性があります。
つまり、長期的に海藻を食べることで、少しずつ腸内細菌が適応し、海藻をより効果的に消化・吸収できるようになることが期待されます。
海藻消化酵素の欠如による影響
海藻の消化酵素を持たない場合、特に複雑な多糖類や食物繊維の消化に時間がかかるため、お腹が張るなどの軽い消化不良の症状が出る場合もあります。
しかし、海藻には水溶性食物繊維やミネラルなどが豊富に含まれているため、腸内環境にとっても有益であり、適量であれば腸内の善玉菌の増加に役立つこともあります。
結論
北欧の人々は日本人のように海藻の消化酵素を持たないことが多いですが、健康に悪影響があるわけではありません。海藻を少量から取り入れることで腸内環境が徐々に適応し、消化しやすくなる可能性もあります。また、腸内細菌の構成は食習慣に影響されるため、継続的に摂取することで海藻を消化しやすい腸内環境に変わっていく可能性があると言えます。