ハンガリーは移民を禁止している。 労働市場はどうなっていますか?

ハンガリーの移民政策と労働市場の現状

厳格な移民規制

– ハンガリーは2024~2025年にかけて移民関連法を大幅に強化し、
第三国出身者に対して労働ビザや在留許可の条件を厳しくしています。
– 低技能・無資格の労働者の受け入れ基準を大幅に引き上げ、
雇用者(企業)にも厳格な通知義務や条件が課されています。
– 第三国(EU・EEA域外)からの労働者は、
指定された一部の国に原則限定され、
許可される年間就労枠も2025年からは35,000人に削減されました。
(2024年は65,000人でした)
– “ハンガリーの仕事はまずハンガリー人に”という方針が強調され、
外国人労働者は原則欠員がある場合のみ、かつ期限付で雇用可能です。
– 一部例外として、高度人材(エンジニア、IT分野など)は
「ハンガリーカード」やEUブルーカードなどで
比較的柔軟な制度も導入されています。

労働市場の現状(2025年)

– 労働市場は2025年初頭時点で「緩やかな悪化傾向」となっており、
景気やインフレの影響で雇用状況は昨年より厳しくなっています。
– 失業率:2025年2月時点で4.5%(前年から微増)
直近3か月平均では4.4%。
– 雇用者数はやや減少傾向で、
一部産業のリストラや求人減少が影響。
– 賃金上昇率は全産業で減速しており、
高インフレもあって実質賃金の伸びも鈍化中です。
– 労働市場への参加率は上昇していますが、
(インフレを受け“働く人”が増加)
その分失業者の絶対数も増加しています。

労働力の構成トレンド

– 労働力全体は少子高齢化により減少傾向で、
働き手は質的に高度化しています。
– 2025年時点で労働者の約42%が高学歴(高資格)となる見通しで、
低資格・無資格労働者の割合は10%未満に低下。
– 求人の中心は「ビジネス・サービス分野」や
「プロフェッショナル(専門職)」で、
単純労働の求人は減少しています。

企業・社会への影響

– 企業にとっては安価な外国人単純労働力の採用が難しくなり、
製造・建設などのブルーカラー職種を中心に人材確保が課題となっています。
– 再就職・転職を希望する人の数が増えている一方で、
求人総数は伸び悩んでおり「人手不足」と「雇用難」が同時進行しています。

まとめ

– ハンガリーは移民(特に低技能者)の流入を強く制限する政策にシフトしており、
「自国民優先」を大方針としています。
– 労働市場は高学歴化しつつも、人口減少と失業率増加、
企業のブルーカラー人手不足が目立っています。
– 現在の政策は外国人雇用枠の削減や就労滞在期限の制限が強く、
低技能の移民はほぼ不可能に近い状況です。

参考データ例:2025年2月時点の主な指標

項目 | 状況・数値

就労許可年間上限 | 35,000人(第三国出身者)
労働力高度資格率 | 約42%
年間平均賃金増加 | 鈍化傾向、実質賃金は伸び悩み

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